人間の体内にある正常な細胞は、異常な細胞の自滅を促して新しい細胞を作り出すことで健康を維持しています。
しかしその細胞を作り出すメカニズムに狂いが生じて、異常な細胞が自滅することなく増殖し続ける状態となってしまうことを「がん」といいます。
現在、治療法として主に採用されているのが、手術、化学療法、放射線治療です。
これらの標準治療も進化を続け、これまで不死の病といわれていた病気の予後も良好となってきました。
しかし、標準治療にはデメリットも存在します。
たとえば手術によって切除しきれなかった細胞が増殖し、再発する恐れがあります。
また、血管やリンパ管を介して他の場所に移動、転移する場合もあるのです。
転移というのは、分裂を繰り返すがん細胞が分裂に必要な栄養源を求め、生息域を広げるために血管やリンパ節を介して全身に拡散していき、たどり着いた先の臓器でさらに増殖を繰り返すことです。
この状態になると、標準治療では治療が難しくなってしまいます。
そこで有効な治療法として近年話題になってきているのが、遺伝子治療です。
遺伝子治療とは、正常な細胞が持っている、異常な細胞を自滅させる遺伝子を投入し、がん細胞の増殖を抑制および細胞死を促進させる治療法です。
人間が本来持っている遺伝子を活用した治療法ですので、正常な細胞には悪影響を及ぼすことなく治療が出来ます。
また、重大な副作用も認められないので、安心して治療を受けることができるでしょう。
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